日本語の文の主語 The Subject of the Japanese Sentence


 主語が第一人称代名詞なら省略する?
  文章を書くときは,つぎのように,その文の述語が意味する動作を行う人や物(主語)を表記して,主語と述語がうまくかみ合うように記述するのが原則です。つぎの文を見てみましょう。
      シンデレラは,時計が0時を指したことに気付き,王子とのダンスを止めて,あわてて階段を駆け下りました。
この文は「シンデレラは...(駆け)下りました」と,主語と述語がかみ合っていて明快です。それでは,つぎの文を見てください。
      先週末,ディズニーランドでプーさんのぬいぐるみを買いました。
この文には,ぬいぐるみを買った人(主語)の表記がありません。しかし「買いました」という述語から,買ったのは書き手,すなわち「私」であると考えることができます。日本語は,主語が「私」(時に私たち)という第一人称代名詞の場合は省略するという特徴があるからです。だから日本人は「私」ではなく「友達が買った」という場合は「友達は」という主語を自然に表記するという感覚を持っています。また,この述語がたとえば「買いましたか」 という表現になるときは「私」とはかみ合わないので「あなたは」や「彼は」など適切な主語を必然的に表記しています。
  なお,第一人称代名詞を省略するのは文法的ルールということではなく,省略しても良いとうことです。したがって「私は」や「私たちは」という主語を表記しても間違いではありませんし,むしろ表記したほうが明快になるという場合は記載する必要があります。
⇒ トップページに戻る

© August 2000 MedicaLite Japan. All Rights Reserved